新潟県三条市で書店を運営してきた『野島書店』と関連会社の1つ『ノジマ事務機』が11月17日、弁護士に債務整理を一任したことがわかりました。
負債は2社合計でおよそ2億7000万円に上るということです。

なお、関連会社の『野島出版』は事業を継続しています。

民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によりますと、『野島書店』は1890年(明治23年)に新潟県三条市で創業し、地元の官公庁や金融機関、事業所を得意先として、書籍や事務機器などの卸売りや店頭での小売りを手掛けてきたと言います。
店では一般書籍や雑誌のほか、参考書や辞書、文具類を充実させて地元の住民を固定客とし、さらに1980年代には新興住宅地やスーパーマーケットの店内などへ出店を加速させて、1990年代前半には年売上高およそ10億円を計上していました。

しかし、書籍部門に関しては書籍離れや少子化による生徒・学生数の減少に歯止めが掛からなかったほか、インターネット通販業者やコンビニの台頭もあって、書店を相次いで閉鎖。さらに事務機器部門は、得意先である金融機関の店舗の統廃合や事業所数の減少を背景に販売ルートが減少したといいます。2018年からは本店1店舗のみの運営となっていました。

近年は官公庁からの事務機器受注に力を入れたもののかなわず、2023年7月期の年売上高はおよそ2億4000万円にまでに低下し、過去の赤字決算を背景に債務超過の財務が続いていたということです。厳しい資金繰りが続く中、借入金の返済負担が重く、さらに前代表の体調不良もあり事業継続を断念したとみられます。

また関連会社の『ノジマ事務機』は1992年9月に設立され、事務機器や事務用品の販売などを手掛けていましたが、『野島書店』に連鎖する形となりました。

帝国データバンクでは、負債は2社合計でおよそ2億7000万円とみています。