「これで終わりだ、やっと楽になれる」

ある児童の誕生日会では、クラスの中で自分1人だけ呼ばれなかった。涙が止まらなかった。
先生に相談すると、「それは斉藤くんに理由があるのかもしれないね。だから、みんなはひと言ずつ斉藤くんの悪いところを言っていこう」と言った。

児童30人が一列になり、全員に悪口を言われた。半分以上の児童が「死ね」。先生はぼーっと見ていて、時には笑っている。

「死にたい」。父親のベルトを自分の首をくくりつけた。
「これで終わりだ、やっと楽になれる」と、首を吊った。もがき苦しんでいる音に兄が気付いた。「いい加減にしろ」と抱き寄せた。

「いつか時間が経てば解決するから、今は我慢しよう」。兄もいじめに遭っていた。

抱きしめ続けてくれた兄の言葉に背中を押され、「もう少し頑張ってみよう」と決意した。しかし、「両親に言うのは絶対やめよう」と約束した。
講演中、得意の笑いは一切なかった

中学生になり、芝居を見に行くきっかけがあった。感銘を受けた。

「自分に価値はないけれど、誰かの役になりきったら、初めて人間としての価値が生まれるんじゃないか」

俳優になりたいという夢を抱き、高校に進学した。