ウクライナに入り、激戦地に取り残された人々に物資を送り続けた日本人がいます。地下鉄の駅構内で避難生活を余儀なくされた人などへ物資を届ける、その任務とは・・・。

ぎゅうぎゅうに敷かれた布団の上で寄り添う人々。すぐ隣には電車が見えます。

ウクライナ第2の都市、ハルキウ。

ロシア軍の侵攻直後から激しい砲撃にさらされ、行き場を失った数千人もの市民が地下鉄の駅構内に身を寄せました。

地下鉄で暮らしていた人
「ここでは皆喉をやられるようになりました。外にいる間はいいんですが、ここに入ると息苦しくなるんです」

こうした“激戦地”の避難生活を支えるため、物資を送り続けた日本人がいます。

国境なき医師団 物流担当 越部真さん
「(ハルキウの)地下鉄に、例えばテーブルとか電子レンジとか、清掃用品とかを調達して送り込んだんですけど」

世界的なNGO「国境なき医師団」のスタッフとしてウクライナ入りし、物流を担う「サプライロジスティシャン」として活動した越部真(27)さん。

ウクライナ中部の街を拠点に、あらゆる支援物資の調達から運送するトラックの選定までを担い、ハルキウの“地下鉄シェルター”などに送り届けました。

ウクライナ国内で極限状態の避難を強いられた現場では、特に子どものオムツなど使い捨てせざるを得ない日用品の不足が深刻だったといいます。

国境なき医師団 物流担当 越部真さん
「オムツ800パックくれとか、明日くれって言われた時とかは、さすがに無理っていう。ただ、現地にそれが必要だというのはわかっているんですけど」

激戦地からは多くの人々が国内外へと避難する一方、弱者ほど取り残され物資が行き届かない懸念があるといいます。

国境なき医師団 物流担当 越部真さん
「慢性疾患のある方とか高齢の方とか、子ども連れの方とかが、なかなか現地から逃げ出せないパターンがほとんど。立場の弱い方たちに対する支援というのが届きにくくなったりする」

およそ2ヶ月の任務を終え、今月、帰国した越部さん。「国境なき医師団」としては、激戦地に取り残された人々のため、物資を送り続けたいといいますが・・・

国境なき医師団 物流担当 越部真さん
「基本的にはロシアが占領している地域には、僕らは活動できないです。安全性が僕らも担保できないと、二次被害を抑えるっていうところで、この原則に従って、そこまで僕らもスタッフ送れないです。ロシア側でできる限りのことをしてくれていると信じるしかない」

東部の要衝セベロドネツクでは新たに、隣の町へとつながる橋が「すべて破壊された」という情報もあり、戦闘の激化とロシア占領地域の拡大によって支援物資の輸送は、さらに、困難になっているとみられます。