東京・神田に、“同じような境遇や悩み”を抱えた人たちが集まるバーがあります。その名も“発達障害バー”。
店主も客もほとんどが発達障害だといいます。バーでの会話に耳を傾けると、多くは「仕事」に関する話が。
発達障害の人たちは今、仕事に関してどのような悩みを抱えているのでしょうか。

“同じような境遇や悩み”を抱えた人たちが集まるバー

この日は平日にも関わらずバーは満席の様子。“酒を飲みながら談笑する”という一見普通の光景ですが、客にはある共通点が・・・

40代男性:「不注意とか、不注意優勢型のADHDです。財布や鍵とか無くす頻度がすごく多いです」

40代女性:「予定を忘れてしまうので、もう覚えられない前提でやるようにしています」

実はこのバー、客のほとんどが発達障害のある人たちで、当事者同士が悩みを語り合う場になっています。

20代女性:「同じような方々と繋がってみたいなと思って来ました」

中でも多く話題に上がったのは「仕事」に関する話。

20代男性:「うまく企業側に自分のPRが出来なかったりとか、面接でも、うまく受け答えができないことが続きました」

この男性、就職活動の際に数十社受けたものの、一般雇用では内定は出ませんでした。
そこで障害者雇用の枠も視野に入れてみましたが・・・

20代男性:「ハローワークの求人などを見ても、障害者雇用は、まだまだ単純作業が求められるだけの職場も多くて

大学で専門的に学んだとしても、本来の能力を生かして働くことができないのだと言います。

一方、一般雇用で就職した人の中には、自身の障害を職場に公表していないという人も。

20代男性:「(障害を)オープンにすることによって、受けるであろうデメリット。お金の面もそうですし、将来的なキャリアとか、そういったところを考えたところで、(障害を)オープンにするという選択肢は、生まれてこなかったというのが正直なところです」