「KAZUⅠ(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」への転職を考えていた男性が取材に応じ、会社は不十分なメンテナンスで、船を運航させていたと語りました。

転職を辞退した男性
「この先端あたりですね。古い船ということもあるんですけど船底を見ますとボコボコしていますし、FRPで補修したあとやペンキを塗り直しているけど分かるような傷がありましたね。(補修を)素人がやっている分についてはいつ壊れてもおかしくないかな」

 「KAZUⅠ(カズワン)」の船体について話すのはオホーツク地方で遊漁船の船長を務める男性です。
 転職を考えていた去年4月、運航会社「知床遊覧船」の船長の募集に応募し桂田精一社長と面談したといいます。

転職を辞退した男性
「僕は「ベテラン船長に2~3年(甲板員として)付かせてくれるのならば、良いかなという話しだったんですけど、僕がどれだけ(船舶の)知識があるかもたぶん、桂田社長じたいが船舶の知識がないので」

 「知床遊覧船」はこのころベテラン従業員がほとんど退職していて、社員の船長は現在も行方が分からない「KAZUⅠ」の豊田徳幸船長ひとりでした。男性は「KAZUⅠ」を陸から海に下ろす作業を見学しましたが、退職した前の船長から船の安全管理や装備について聞き、がく然としたと言います。

転職を辞退した男性
「バッテリーがダメになって新しくしたから、オートビルジーという、海水をくみ上げるスイッチを切っていた、という話しを聞いた」

 退職した前の船長によりますと「KAZUⅠ」は数年前、エンジンがかからなくなったことから発電装置やバッテリーを更新しました。
 そのバッテリーの消耗を防ぐため、本来は24時間スイッチを入れておく必要がある船の底に溜まった海水を外に出すポンプの電源を切っていたということです。

転職を辞退した男性
「バッテリーは減れば寿命が短くなっちゃうから、新品に替えたからなるべく傷めたくなかったのかなと、推測ですけど」

 「知床遊覧船」の安全への意識の低さを目の当たりにした男性は結局、入社を辞退したといいます。その後に起きた「KAZUⅠ」の沈没事故に思いは複雑です。

転職を辞退した男性
「親戚や先輩の船頭に言われるのは(辞退は)正解だったと。ただお前が入っていれば出航停止をかけて助かっていたのかもねと言われている」


5月12日(木)「今日ドキッ!」午後6時台