神奈川県藤沢市で自宅のマンションに火をつけて同居する父親を殺害した罪などに問われた男の裁判が行われ、横浜地裁は「合理的な疑いが残る」として、殺人と現住建造物等放火の罪について無罪判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、高橋正雄被告(61)はおととし、藤沢市の自宅マンションに火をつけて、同居する寝たきりの父親(当時87)を殺害した罪や、藤沢市などのコンビニエンスストアでの窃盗罪に問われています。
きょう(9日)横浜地裁で行われた裁判で裁判長は、マンションの電気が止められていたことや、高橋被告が精神的に不調をきたしていたことから、ろうそくなどで明かりをとろうとした際に誤って出火した可能性も否定できないと指摘しました。
また、逮捕直後に高橋被告が放火したことを認めたという検察側の主張に対し、放火に使用したとするガスバーナーがマンションから見つかっていないことや、高橋被告の供述があいまいであることから、「供述したことをもって、放火をしたと断定することもできない」としました。
さらに、「高橋被告の何らかの行為により出火し、父親が死亡したことは認められるものの、マンションに故意に放火し、父親を殺そうとしたと認めることについては合理的な疑いが残る」として、殺人と現住建造物等放火の罪について、高橋被告に無罪判決を言い渡しました。
一方、コンビニでの窃盗罪については「窃盗に対する抵抗感の薄さや感覚の麻痺がうかがわれる」として、懲役1年8か月、執行猶予4年を言い渡しました。
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