2021年6月、武井俊輔衆議院議員が同乗し、当時の政策秘書が運転していたワンボックスカーが起こした当て逃げ事故。2022年1月に、武井議員は無車検・無保険の疑いで警視庁に書類送検されました。焦点となったのはドラレコに記録された武井議員の”声”。その”声”をめぐる捜査の攻防を描いた当時の記事を再度掲載します。

「秘書が“当て逃げ”の武井議員 ドラレコ音声に『行ってしまえ』の声 半年間の取材で見えた事件の深層」

さらにその後の3月30日、東京地検は武井議員を嫌疑不十分の「不起訴」処分としました。不起訴の背景と、その後の武井議員の記者会見の詳細をまとめた記事を、今回新たに公開しました。ご覧下さい。

政策秘書が起こした当て逃げ事故を発端に、同乗していた武井俊輔衆議院議員が無車検・無保険の疑いで書類送検された。このとき、TBSが独自に報じたのが、ドライブレコーダーに残されていた、武井議員とみられる声での「行ってしまえ」という音声の存在である。

ドラレコ音声があるなか、なぜ当て逃げ容疑での武井議員の立件は見送られたのか。事故発生直後から始まった、半年にわたる取材を元に詳報する。

■宮崎のホープ


宮崎1区・当選4回の武井俊輔衆議院議員。外務大臣政務官などを務め、現在は自民党の国会対策副委員長を担う。その一方で、2019年に私設秘書が、千代田区で酒気帯び運転で事故を起こしていた。そして・・・。

■独自に掴んだ「当て逃げ」情報


去年の6月8日、政策秘書が運転し武井議員が同乗していた車が、六本木の交差点で自転車に当て逃げ事故を起こした。この車両は武井議員が所有しているものだったが、事故をきっかけに車が無車検・無保険だったことも露見した。警視庁担当の私は、翌9日に一連の独自情報を掴んだ。慎重に事実確認を進め、速報した。

■「事故には気付かず」「被害者の方には大変申し訳なく…」

TBSの報道後、武井議員側からコメントが発表された。「運転していた秘書は被害者から指摘されるまで事故には気づかなかった」とし、被害者に対しては「誠意をもって対応する」とした。偶然が重なり被害者の男性(50代)の所在を突き止めることができた。

10日に都内の自宅を訪ねると、最初は警戒していたが次第に打ち解け、怒りを込めながら事故の詳しい状況を説明してくれた。

■「気づいていないわけがない」


「青信号で横断歩道を横断中に、車が交差点を左折してきた。止まると思ったらノーブレーキだったのでよけようとしたなかで、車の角と自転車の側面が当たった。運転手とはその場で目が合っていたが、そのまま逃げたので150メートルほど追いかけた」

その後、車は停車した。