4年前、北海道旭川市でいじめを受けていた女子中学生が自殺した問題で、当時、女子中学生が通っていた中学校の元校長の男性が、旭川市の今津市長を名誉棄損罪と侮辱罪で刑事告訴しました。
告訴状などによりますと、旭川市の今津寛介市長は2025年8月の市長選公開討論会で、元校長の男性について「いまだに反省の色をひとつも見せておりません」と発言。
「反省していない」という発言は虚偽事実の断定であって根拠がなく、教育者としての社会的評価と人格的信用が著しく損なわれたとして、名誉毀損罪と侮辱罪で旭川地検に告訴状を提出し、12日、正式に受理されました。
元校長の男性のコメント
「私は一私人として平穏な生活を送りたいだけです。しかし、公職にある市長が根拠のない言葉で社会的評価を下げることは、教育者としても、市民としても看過できません。司法の公正な判断を信じています」
「私はこれまで、調査報告書の誤りを正し、報道被害を訴えるという公益的な目的に基づいた言論活動を行ってきただけです。それを『反省していない』と名指しで断定することは、市長による個人攻撃に他なりません。発言の自由が封じられるような旭川市であってはならず、今津氏の発言は、私に対する中傷被害をさらに加速させるものです」
一方、旭川市の今津寛介市長は「事実関係を把握していないため、コメントは差し控える」としています。
4年前、旭川市内の公園で凍死した状態で見つかった当時中学2年の廣瀬爽彩さんを巡っては、この問題を調べていた再調査委員会がいじめと自殺との因果関係を認め、当時の学校の対応について「いじめへの対処を怠った」と指摘しています。
これを受け、廣瀬さんの遺族側は「学校と市教委はいじめの認知を徹底して回避した」などとして旭川市に約1億1500万円の損害賠償を求める訴えを起こしています。














