◆中学生になるとさらに進む相撲離れ 今年の新弟子合格者数は過去最少

池松くんの夢は、力士になることですが、住んでいる糸島市、そして県全体を見ても中学校に相撲部はありません。受け皿となるクラブチームでも中学校に入学するタイミングで相撲をやめる子供が多いといいます。「住吉相撲クラブ」の中学生の部も2年前から休止が続いています。
住吉相撲クラブ 八納 正英コーチ「中学校に上がっちゃうと部活動が学校である。福岡はラグビーとか野球とか柔道とかレベルが高い。身体が大きい子はそちらに流れてしまいがち」
中学体育連盟によりますと20年前、部活動で相撲をしていた中学生は全国で1484人でした。現在は、半数以下の655人まで減少しています。ジュニア世代の相撲離れは、大相撲の力士を志す若者の減少に直結します。今年の年間の新弟子合格者数は、53人にとどまり過去最少となりました。「若貴フィーバー」で空前の大相撲ブームだった1992年の223人と比較すると4分の1以下となっています。
◆”若貴フィーバー”ともにけん引した元横綱武蔵丸は「スター力士がいない」

若貴兄弟たちとブームをけん引した元横綱・武蔵丸の武蔵川親方も大相撲の現状に危機感を抱いています。
元横綱武蔵丸 武蔵川 親方「昔は相撲人気があったから弟子はいっぱい入ってきた。今はそういう子供たちは少ない。みんな色んなスポーツをやってる。スター選手がいるから、そのスポーツをやるんだよみんな。テレビで相撲を見て『この人強い』って思ったらこどもたちにとっても夢があるよ」
武蔵川親方が「スター力士」の不足とともに問題視しているのは、「土俵」の減少です。
武蔵川親方「昔は土俵があったよ。もうないよ今は。公園の中にもないよ。やるひとがいないんだからそれは減ってくるよ」
今年から九州場所期間中の部屋の宿舎を直方市に移した武蔵川親方。宿舎となる神社に新たな土俵を作りました。滞在中に部屋の力士が稽古をするために作ったものですがそのほかの時期は、子供たちが土俵の上に立つことを願っています。武蔵川部屋の力士たちが一から作り上げた思い入れのある土俵です。
武蔵川 親方「土俵もない、作っていかないと。ないよいま。ないない、だから子供が相撲のことを分からないよ。だからこれ作ったんだよ。俵から全部。大変な作業だよこれ。叩いたりとか」














