「涙」 和合亮一

あの日に
泣いたからこそ
いまがある

あの日に
地上に立って
呆然とした
乾いた大地に
雨が降るように
わたしたちは
泣き続けた
一日
  百日
一年
  千日

すぐに
止む雨では
なかった

いつしか
少しでも
晴れ間を
見つけたい
そう願うようになった
歳月に
涙を拭くようにして
空を見あげて

あの日に
泣きつづけたから
明日は
晴れる
明日は
風が吹く
そう信じて